【JTB】年末年始(2016年12月23日~2017年1月3日)の旅行動向

JTB

JTBは、年末年始に出発日基準で 12 月 23 日(祝)~1 月 3 日(火)に1泊以上の旅行に出かける人の旅行動向の見通しをまとめました。
この調査は、航空会社予約状況、業界動向、JTBグループの販売状況、1,200 人へのアンケートから推計したものです。1969 年に調査を開始して以来、今年で 48 回目となります。調査結果は以下の通りです。

 

(表1)2016 年/2017 年 年末年始旅行動向推計数値

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* 旅行人数は延べ人数。平均費用は一人 1 回あたりの費用
* 国内旅行人数は宿泊を伴う旅行者の人数(観光および帰省目的の旅行に限る)
* 海外旅行人数は出国者数(業務目的の旅行を含む)
* 国内旅行平均費用は、交通費・宿泊費・土産代・食費等の旅行中の諸費用を含む
* 海外旅行平均費用は、燃油サーチャージ、旅行先での交通費・宿泊費・食費を含む

 

<社会経済環境>
1.社会経済環境と消費の基調
このところの日本経済は、株価は米国大統領選終了直後に一時急落したものの、その後は上昇傾向が続き、為替は対ドルでは円高基調からドルを買って円が売られる状況で、今後の情勢への懸念もあり、不透明感はぬぐえない状況です(図 1、図 2)。10 月発表の日銀短観によると、大企業製造業の景況感は横ばいで、景況感を映す全規模全産業の指数は、現状は前回比で1ポイント改善したものの先行きは 3 ポイント悪化しています。また、総務省が 11 月に発表した 10 月の家計調査によれば、1 世帯当たりの消費支出は 28 万 1,961 円で、前年同月比 0.4%減となり、消費の基調判断は「弱い動きがみられる」となっています。今年の冬のボーナスは、民間シンクタンク 5 社がまとめた予測によると、1 人当たりの支給額は前年比 0.3%増の 37 万 1,000 円で 2 年ぶりに前年水準を上回りますが、支給額のプラス幅は鈍化し、業界により差がみられる状況です。

 

(図1) 日経平均株価の推移

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(図2) 為替レート(対ドル、対ユーロ)の推移

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2.今年の年末年始の旅行を取り巻く環境と生活者の旅行意向
今年の年末年始の休暇は、仕事納めが 28 日(水)とすれば、12 月 29 日(木)から 1 月 3 日(火)までとなります。また、小中学校の終業式は 22 日(木)が多く、12 月 23 日(祝)~25 日(日)のクリスマスを含む 3 連休を利用して、年内に旅行を終える人もいると思われます。
JTBが毎年実施している年末年始の旅行動向アンケートによると、一人あたりの旅行費用は「2 万円以下」が 49.4%と昨年より 6.3 ポイント増加しています(図 3)。同アンケートで、「昨年と今年の年末年始の違い」を聞いたところ、休みに関しては、暦の日並びが影響し「昨年より休みが取れそうにない」は 11.6%、「昨年より長く休みが取れそうだ」は 9.7%でした。旅行日数に関しては、「昨年より遠距離の旅行に行く」は 5.2%、「昨年より近距離の旅行に行く」は 1.9%、「日数を増やす」は 3.2%、「日数を減らす」は 1.3%となり、「同じ日数の旅行に行く」は 9.7%でした。収入に関しては、「昨年より収入が増えた」は 9.0%、「昨年より収入が減った」は 11.0%でした(表 2)。旅行に行かない理由は、質問項目の変更により昨年と比較はできませんが、「家でゆっくりする」が 5 割を超えています(図 4)。

 

(図3)年末年始の一人あたりの旅行費用 (単一回答)

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(表2) 昨年と今年の年末年始の違い(複数回答)

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(図4)年末年始に旅行に行かない理由(複数回答)

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<2016 年~2017 年 年末年始旅行動向予測>

1.海外旅行人数は 64.6 万人(前年比+3.3%)と増加。海外旅行平均費用は、207,000 円(前年比▲4.7%) 出発日のピークは、12 月 29 日(木)、12 月 30 日(金)で年内帰国も多い傾向に

2016 年に入ってから日本人の出国者数は増加に転じており、1月から10 月までの累計は 4.8%増の 1,417 万 6,600 人となっています(日本政府観光局 11 月発表)。その背景には今年の 4 月以降、燃油サーチャージは 0 円になり、為替レートは昨年よりは円高傾向に転じてきたことから、海外旅行へは行きやすい環境になっていることがあげられます(図 5、表 3)。

今年の暦上での年末年始の休暇は短くなっていますが、引き続き海外旅行への意欲は高く、年末年始期間においても海外旅行人数は増加すると予測します。長期の休みを取らずに行ける中・近距離の旅行や、料金の安い時期を選んで旅行する人も多いとみられることから、海外旅行平均費用は、207,000 円(前年比▲4.7%)と予測します。

 

(図5) 日本人の出国者数と前年比

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出典:日本政府観光局発表データを基にJTB総合研究所作成

 

(表3 )各年 11 月 25 日の為替レート(単位:円)

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(東京外国為替相場/T.T.S 三菱東京UFJ銀行)

 

JTBの海外パッケージツアー「ルックJTB」の予約状況を見ると、出発日のピークは、12 月29 日(木)、30 日(金)となります。ハワイやアジア方面は、12 月 23 日(祝)の出発も多く、年内に出発し年内に帰国する人も多そうです。
人気の方面は、12 月 21 日にハワイアン航空が成田―コナ線に就航するハワイや、韓国、台湾などの近距離のアジア、今年が日本との外交関係樹立 50 周年のシンガポールなどです。ヨーロッパ方面は、昨年に比べると復調傾向にあり、10 月 19 日に 18 年ぶりにイベリア航空の直行便が就航したスペイン、サンタクロースやオーロラなど、この時期ならではの旅行が楽しめる北欧が人気です。
また、11 月 4 日にはニュージーランド航空が 3 月 26 日までの季節便として関空-オークランド線に就航しています。ニュージーランドへの日本人旅行者は近年増加傾向にあり今後が期待される地域であると言えるでしょう。

 

2.国内旅行人数は 2,930 万人(前年比▲2.2%)と減少。国内旅行平均費用は 30,900 円(対前年比▲9.6%)出発日は 12 月 31 日(土)が多く 12 月 23 日(祝)からの 3 連休を利用した近場旅行も

今年に入ってからの日本人の国内旅行者数は、観光庁の宿泊旅行統計調査では、日本人の延べ宿泊者数は、1 月~9 月の累計で前年比 95.6%となっています。8 月は同 97.9%、9 月は 92.7%、10

月は 99.7%(速報値)と国内旅行は昨年に比べて減少傾向です。また、総務省の家計調査の宿泊料の項目についても、8 月は前年同月比 101.3%であるものの、9 月は 92.8%、10 月は 81.9%となっ
ています。
アンケートによると、国内旅行の利用交通機関については、昨年に比べてガソリン代が上昇基調であり(図 6)、「乗用車」が 66.9%と前年比で 2.1 ポイント減少していますが、高速・長距離バス8.1%(同+3.7 ポイント)、LCC1.4%(同+0.8 ポイント)の利用は増加しています(表 6)。
利用宿泊施設では、民宿・ペンション・公営施設等が増加しています(同+1.7 ポイント)。このようなことから旅行支出には慎重な面が見られ、国内旅行平均費用は 30,900 円(対前年比▲9.6%)と予測します。
出発日は、12 月 31 日(土)と回答した人が 21.6%となりましたが(表 11)、JTBの国内パッケージツアー「エースJTB首都圏発」の予約状況からは、クリスマスを含む 3連休の 12月 23日(祝)、24 日(土)も東京ディズニーリゾート®や伊豆・箱根方面などの近場を中心に予約が多くなっています。今年 3 月に北海道新幹線が開業後初の年末年始となり函館を中心とした道南が人気です。
また、旅行の同行者は、家族連れが最多ですが、子供づれ(中学生まで)は昨年より減少(前年比▲4.6 ポイント)し、それ以外(母娘や三世代)は増加(同+4.2 ポイント)しています。利用宿泊施設では、夫や妻の実家が大きく減少(同▲4.6 ポイント)しています (表 5、表 7)。

 

(図6)レギュラーガソリン小売価格の推移

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<生活者アンケート調査方法>

調査地 点: 全国 200 地点、各層に比例配分
調査実施期間: 2016 年 11 月 2 日~11 月 14 日
調査対 象: 全国 15 歳以上 79 歳までの男女個人
サンプル 数: 1,200 名(1 地点 6 名×200 地点)
調査内 容: 2016 年 12 月 23 日から 2017 年 1 月 3 日に実施する 1 泊以上の旅行
調査方 法: 専属調査員による個別訪問調査(100%回収)