【大山 初詣】路線バスぶらり旅シリーズ Vol.2 ~伊10系統(伊勢原駅~大山ケーブル)~

NAVITIME

 

今回ご紹介する路線は、神奈川中央交通、通称「神奈中バス」の伊10系統。伊勢原駅~大山ケーブルまでを結ぶ路線です。

 

「大山ケーブル」と聞いて、ピンとくる方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。

「大山(おおやま)」というのは神奈川県にある丹沢山地の一つで、江戸時代には庶民信仰の対象の山でした。現在は丹沢登山の玄関口としても賑わい、ケーブルカーも通されています。そのケーブルカーの乗車駅が「大山ケーブル」というわけです。西日本にも同名で「大山」がありますが、こちらは「だいせん」と呼びますので、まったくの別物です。

小田急線の伊勢原駅は丹沢の麓に位置しており、伊10系統は大山ケーブルへ向けて一直線に山を駆け上がる路線です。 →伊勢原駅の場所はこちら

 

今回は沿線のぶらり旅ではなく、2016年の大晦日~2017年の元日にかけて行われた終夜運行の様子と、新春の大山詣に行ってきましたので、その様子をご紹介します。

 

 

ゆく年くる年、1年に1度の大山ケーブル行き終夜運行バスの様子をご紹介!

さて、1/1未明の伊勢原駅に来てみました。
この日は小田急線も終夜運行を実施しており、電車を降りて大山ケーブル行きのバスへ乗り換える方もちらほら。
バスの方は朝4時台までは2~3本/時の運行本数で、直通便と各バス停に停車する便が混ぜこぜで設定されています。

 

0時台、1時台に伊勢原駅を出発するバスを見ていたところ、混雑はまだ始まっていない様子。
便によってまちまちですが、座席が8割くらい埋まる程度の乗車率でした。

 

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この日大山を楽しむとしたら、ケーブルカーの終点近くにある阿夫利神社(下社)か、大山山頂(阿夫利神社本社)で初詣をしたりご来光を拝む、というのが定番として挙げられるかと思います。
目的地を下社にするか本社にするかで所要時間はずいぶん変わりますし、大山は単に通過点として、そのまま丹沢登山を楽しむという方もいるかもしれません。
また、見晴らしの良い場所は当然混雑するので、良い場所でご来光を拝むために早めに動かれているのかもしれません。

 

いずれにしても、この時間帯が動き出されている方々は、かなりな行動派と言えるでしょう。

 

 

NAVITIME豆知識コーナー
  1. (伊10系統)
    ・伊勢原駅~〆引(東名高速の伊勢原バス停そば)~大山ケーブルを結ぶ。→詳しくはこちら
    ・1日2本(往路:7・8時台、復路:13・16時台)伊勢原駅~大山ケーブルをノンストップで結ぶ「伊11」系統もある。
    ・運行間隔は2~3本/時で、概ね等間隔に運行される。
    ・運行時間帯は6時台~21時台まで。
    ・毎年大晦日~元日にかけて終夜運行が行われる。
    ・運賃は距離別に異なる多区間制で、伊勢原駅~大山ケーブル間を乗り通すと、大人310円(IC 309円)、小児160円(IC 155円)となる。支払いは降車時に行い、乗車時は整理券を取るかICカードの読み取り機にタッチする。なお、ICカードの読み取りは始発バス停でも行う必要があるので注意。
  2. ~ちびっ子50円キャンペーン~
    ・なお土曜/休日に限り、小学生以下の運賃が乗車区間に関わらず50円になる。支払いは現金のみ。

 

マイカーで大山へ。伊勢原駅からのバスは使わないマイカー派の様子もご紹介!

大山ケーブルまで行く方法は、実はバスではなく一般車によるアクセスも可能です。

最初に結論を言いますと、相当な時間の余裕を持って行かないと、駐車場に入るのが困難になりそうです。

 

 

大山ケーブル付近にある駐車場は全部で3箇所。計170台分ほど用意されているようです。→詳しくはこちら

市営駐車場が2箇所と、リパークの駐車場が1箇所です。

筆者は5時半頃に様子を観察しましたが、すでに入りきれずに入場待ちの車で大渋滞になっていました。

日の出の時刻が6時40分頃なので、ケーブルカーに乗って阿夫利神社の下社に向かえばちょうどいいタイミングではありますが、考えることは皆同じ。5時半では時すでに遅しという感じでした。

 

通常の時期はこれらを利用することになりますが、大晦日~元日にかけてのみ、大山ケーブルから1.4kmほど山を下ったところにある「大山小学校」の校庭が無料駐車場として開放されます。

こちらは駐車台数を数えておりませんが、校庭すべてが駐車スペースになっていましたので、相当な台数が止められそうでした。

また、大山小学校から大山ケーブルへはシャトルバスが30分おきで運行されており、利便が図られております。

こちらも4時半の時点でほぼ満車に近い状態でしたので、車で行くためには4時までを目安に行った方が良さそうでした。

 

 

 

いざ大山へ!早朝の臨時直行便で大山詣の雰囲気を堪能!!

前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、いよいよ大山ケーブル行きのバスへ乗車することにします。

 

5:05に伊勢原駅を出発する臨時の直行便です。
小田急線の終夜臨時列車との接続も図られているのと、ご来光を拝むにはちょうどいい時間帯ということもあり、車内は大大混雑。。ほんの数分違うだけで列の長さが何倍にも変わる様子でした。

 

 

この日の臨時便にはちょっと面白い趣向が。
伊勢原市出身の落語家「金原亭馬玉(きんげんてい ばぎょく)」さんによる、特別車内アナウンスが流されてました。
いつも聞き馴染みのある自動放送とは異なり、味のある路線紹介や、大山詣の由来の紹介、小噺などなど、、途中の停留所には止まらないことから、終始色々なお話が流れていました。
これも臨時便ならではの醍醐味ですね。バス会社さんも色々と趣向を凝らしていることがよく分かります。

 

さて、バスに揺られること約25分。まだ外は真っ暗ですが、大勢のお客さんを乗せて大山ケーブル終点に到着です。

 

 

NAVITIME豆知識コーナー
  1. <江戸時代に流行していた大山詣>
    金原亭馬玉さんによる特別車内アナウンスや阿夫利神社で得た情報によると、下記のような背景があるそうだ。
    ・大山は別名「雨降山」と呼ばれ、雨乞い、五穀豊穣、商売繁盛を願う多くの江戸庶民が参拝に訪れた
    ・その数は年間20万人ほど(当時の江戸の人口は約100万人)
    ・江戸との往復は5~6日(早い人は3日)ほどの日数で参拝していた
    ・通行手形が不要なことから、気軽な小旅行先としても人気があった
    →詳しくはこちら
    ※現代の国道246号線(ニーヨンロク)は別名「大山街道」と呼ばれ、今でも三軒茶屋や長津田などにかつての宿場町の名残がみられる。

 

ケーブルカーの駅に向かう参道には、軒を連ねるたくさんのお土産物屋さんが!!

大山のお土産の一つとして有名なのが、「大山こま」という木製のこまがあるそうです。

これも江戸時代から続く伝統で、「よくまわる」ということで縁起物として扱われているとか。

地元の職人たちに技が受け継がれている伝統工芸品です。

 

そんな大山こまをはじめ、大山ケーブル駅へ続く参道の両側には、色々なお土産物を取り扱うお店が軒を連ねています。

筆者は寒さのあまり、思わず茶屋で一旦休憩(笑)。おしるこをいただきました。あっつあつで美味しかったですよ。

 

参道は約400段の階段と坂道からなり、バス停からケーブルカーの駅まで向かうのもそれなりの運動です。

「今年は特に混んでるなぁ」という地元にお住まいと思われる参拝客の会話を聞きながら、いよいよ大山ケーブル駅に到着です。

 

 

 

ケーブルカーも長蛇の列!!大勢の参拝客を乗せて、いよいよ阿夫利神社へ向かいます!!

普段は朝の9時から運行されていますが、この日はケーブルカーも終夜運行を実施中。
標準時刻表を見ると20分間隔の運行ですが、この時間帯は約8分間隔で運行されていました。
それでも乗車待ちで長蛇の列。。阿夫利神社はもう目前だというのに、ヤキモキさせられます。。
まあこれも含めて、これが現代の初詣ですからね。江戸時代の人もビックリでしょう。

 

 

さて、2016年の秋にリニューアルされたという新型車両に乗車して、いよいよ阿夫利神社へ向かいます。
ケーブルカーが進んでいく傾斜っていつ見ても驚きますね。線路が引かれているので電車に乗るような感覚ですが、ケーブルで持ち上げていることを考えると、エレベーターのような感じに近いのでしょうか。

 

あたりを見回すと、遠く地平線の方の空はうっすらと赤みがかり、先ほどまで星空でいっぱいだった上空も青く光が入りだしています。初日の出もいよいよ間近!!時刻は6時10分頃になろうかというところです。

 

約7分ほどで阿夫利神社駅終点に到着。
ここから阿夫利神社までは徒歩で2分ほど歩くだけです。

 

 

 

阿夫利神社はすでに大勢の人で溢れかえっていた!警官が警備にあたるごった返し状態!

阿夫利神社には下社と本社があり、ケーブルカーの終点にある神社は下社の方、大山山頂にあるのが本社です。

今回は下社でご来光を拝もうと計画しておりました。

 

が、すでに下社は多くの人で溢れかえっており、日の出を写真に収めるどころではない状態でした。

見晴らしの良い本殿へ通じる石段には警察官が数名配置されており、「階段では立ち止まらずにお進みください」「左側通行にご協力をお願いします」といったアナウンスが終始繰り返されている有様。。

 

 

毎年恒例の風物詩なのだろうと思いつつも、ちょっとその光景にほとほと疲れきってしまいました。。

だいぶ空に明かりが差し込み始めており、日の出前でも景色は十分きれいでしたけどね。

 

日の出まではあと10分ほど。境内の様子を一通り眺めたあと、帰りのドタバタに巻き込まれまいと思い、早々に退散いたしました。

いえ、ちょっと考えがあったためです。今回は路線バスの旅ということもあり、作戦を切り替えてB面攻撃に出ることにします。

 

 

 

太陽はどこからでも見られる!!路線バスの旅にふさわしいエンディングとは!?

まだ日の出も始まっていないというのに、早々に下りのケーブルカーに乗り込むことにします。

人ごみを敬遠してか、筆者以外にも数名の乗客がいましたが、それでも行きの大混雑に比べれば雲泥の差。

まだまだたくさんの人を乗せて登ってくる反対方向のケーブルカーを横目に、さっき来た道をどんどん引き返します。

 

 

大山ケーブルバス停では、伊勢原駅行きのバスが誰も乗せずにひっそりと発車待ちをしていました。

あと1時間もすればたくさんのお客さんが降りてくることでしょう。

 

時刻は7時をちょうど回ったところ。

とうに日の出の時刻を回っています。しかしこの日は地平線方向に雲が出ており、太陽が顔を出すのは少し遅くなることが予想できました。

 

 

運転席横の特等席に座り、乗客数名のがら空きのバスで伊勢原駅までの車窓を堪能することにします。

 

と、期待した通り!と言いますか、ちょうどバスが大山ケーブルのバス停を出発して山を下り始めたところで、待望の朝日がお目見え!!方角的にもばっちりでした。

 

今回は路線バスの旅ですからね。

路線バスからご来光を拝めたというのは、結果的には良い結末だったのではないでしょうか。

(もちろん山の上から拝めればベストですが、ああいう状況でしたから。。)

 

 

帰りのバスでも金原亭馬玉さんの特別アナウンスが。

行きとは別の演目で落語を話されていました。バスの車内だと詳しく聞き取れなかったので、公式サイトなどにアップしていただけると嬉しいなぁと思ったり。。

 

帰りはあっという間に伊勢原駅に到着。

この日も含めて三が日は多くの人々で賑わったことでしょう。

 

ぜひ皆さまも一度、大山詣を堪能されてみてはいかがでしょうか。

 

NAVITIME豆知識コーナー
  1. <丹沢・大山フリーパス>
    ・小田急線各駅~小田急線の丹沢エリア各駅(本厚木~伊勢原~渋沢)の往復乗車と、丹沢エリアのフリー乗車、神奈中バスの丹沢エリアのフリー乗車、大山ケーブルカーのフリー乗車が可能な周遊きっぷ。
    ・大山ケーブルカーの使用有無によってAきっぷとBきっぷに分かれる。
    ・発売額の例としては、ケーブルカーも利用可能なAきっぷが新宿発で大人2,470円。フリーエリアを乗り降りせずに、単に新宿~伊勢原~大山ケーブル~阿夫利神社を往復するだけでも2,900円かかるので、驚きの割引額と言える。
    ・有効期間は2日間だ。
    →詳しくはこちら
  2. <一日フリー乗車券>
    ・神奈川中央交通の路線バス全線が1日乗り放題になる。
    ・IC式一日フリー乗車券は車内で購入できる。
    ・発売額は、大人:1,030円/小児:520円。ICカードの残額には注意したい。
    ・少々割高に感じられるが、例えば平塚駅~伊勢原駅~大山ケーブルを乗車した場合往復で1,380円となり、神奈中バスを乗り継ぐ用事がある場合は効果的だ。
    →詳しくはこちら

 

<番外編>同じ神奈川県の「寒川神社」への臨時輸送の様子もご紹介!!

三が日に同じく臨時輸送が行われた、寒川神社行きのバスの様子もご紹介します。

 

寒川神社は大山と同じく神奈川県に位置する神社で、大山からさらに海側へ下った茅ヶ崎寄りにあります。 →場所はこちら

こちらも毎年初詣客で賑わう神社で、海老名駅、本厚木駅、茅ヶ崎駅、平塚市の住宅地などからも臨時バスが運行されます。

 

最初は「湘南日向岡(しょうなんひなたおか)」という平塚市に位置する住宅街からの臨時バスをご紹介します。 →場所はこちら

湘南日向岡は富士山の眺めも抜群の住宅地です。ここから平塚市内の団地などを経由して、寒川神社まで向かってくれます。地元の方にとっては嬉しい輸送ですね!!

運行本数は1日3本のようでした。

 

 

続いて本厚木駅からの臨時バス。

本厚木駅は厚木市にある小田急線の駅で、伊勢原駅から2駅新宿方向に戻ったところにある駅です。 →場所はこちら

本厚木駅から寒川神社へ向かうバスも普段は運行されておらず、お正月限定運行の路線バスです。

こちらは9~15時台までの間に30分間隔で運行されており、筆者が乗車した1番便は大変な混雑となりました。

「年々混んできている」と地元の方もおっしゃっており、先ほど大山で似たような会話を聞いたことを思い出しました。

初詣の参拝客って年々増えているんでしょうか!?それとも、臨時輸送のバスの認知が上がっているんでしょうか。

 

 

 

続いて海老名駅からの臨時バス。

海老名駅は海老名市にある小田急線の駅で、上記の本厚木駅から2駅新宿方向に戻ったところにある駅です。 →場所はこちら

海老名駅からも普段は寒川神社へバスは運行されていません。

こちらは相鉄バスによる運行で、寒川神社内のバス乗り場も海老名駅行きだけ別の場所からの発着でした。

また、大山と同じく大晦日からの終夜運行も行われ、輸送のメインを担っているという感じを受けました。

日中は10分間隔の運行でした。

 

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